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introduction

「旅をすることで生まれる豊かな感覚」
を届けるために宿をつくる

ホテルオープンまであと3日
最後の納品を終え私の仕事は終わる
やり残したことはないだろうか、お客様に喜んでいただけるだろうか
そして名残惜しい気持ちのまま、いつまでもそこに留まっている
次第にホテルスタッフも帰り、計画当初から3年以上の時間を
ともにしてきたメンバーとロビーに佇む
B G Mもなく、ひとの声もしない“静寂のとき”
いよいよホテルのオープン
寂寥感ではない、むしろ静かな高揚感に包まれている
静かだがエネルギーがゆっくりと流れ込んでいくような瞬間だ
宿に一つの命のようなものが吹き込まれる
これから明かりの消えることのない、誰もいなくなることのない
ホテルのロビーの“静寂のとき”
この束の間の静まり返った瞬間が好きだ

宿はその土地の魅力を感じるスタート地点でもあり交差点でもある
ここからその場所の魅力を探し、ここからはじまるたくさんの人々や様々な新しい出会いがある
そして自分の経験の一部となり生活の一部となることで豊かな時間を過ごすことができる
そんなことを思いながら、この“静寂のとき”の中でゲストの声や笑顔を感じている
もしかすると私はこの瞬間のために仕事をしているのかも知れない